よくある質問 債務整理全般
- 債務整理すべき時期はいつですか?
- 自分の収入の範囲内で毎月の返済ができず、借金返済のために他から借金をするようになったときです。複数の貸金業者から借金をすると、利息を支払うだけで大変です。
借金返済のために高金利の貸金業者から借り続けるような状況が続くと、最終的に支払不能に なり、自己破産をさざるを得ないことになります。
- 債務整理をすると周りの人に迷惑がかかりませんか?
- 原則として、周囲の人に迷惑がかかるということはありません。
債務整理を司法書士・弁護士に依頼した場合、貸金業者からの請求は止まり、貸金業者は親族や職場に取り立ての請求をすることもできなくなります。
貸金業者にとっても、法的手続に従って回収できる残額を確実に回収することになりますから、債務者が思っているほど、デメリットではありせん。
注意しなければならないのは、保証人がいる場合です。債務整理をしても保証人には影響がありませんから債権者は保証人に請求することになります。
保証人がいる場合は、事前に保証人に事情を説明して、場合によっては保証人にも債務整理をしてもらう必要があります。
- 家族にや知人に内緒で債務整理をすることはできますか?
- 自己破産、個人民事再生、任意整理、特定調停のいずれの方法を選択しても、通常一般の人に
知られることはほとんどありません。
自己破産、個人民事再生の場合は、官報に公告が掲載されますから、可能性がゼロとはいえませんが、極めて少ないといえるでしょう。また、任意整理は司法書士・弁護士が業者と直接交渉し、債務者本人が手続をすることはないので、連絡方法などを前もって徹底しておけば、内緒で 手続をすることも可能です。
しかし、債権者の中にヤミ金業者などがいる場合は、債務者への請求が続くこともありますので100%内緒にできるという保証はないといえます。
- 費用の分割支払いはできますか?
- 着手金は、依頼する際に一括して支払うのが原則ですが、通常、業者への支払いができなくなって、緊急的に債務整理を依頼する方が多いので、その方の実情に応じて、分割支払いには柔軟に対応しております。
当事務所では、依頼された月又は翌月から、一定額を毎月入金していただき、手続終了時に清算して、残額を確定します。その後、支払方法を相談して、残額を分割で支払っていただきます。
よくある質問 過払い請求
- 過払い金の返還請求をすると、信用情報機関に登録されるのですか?
- 約定債務が残っていた債務者が、過払い金が発生していたことが判明して、貸金業者に過払金返還請求をした際に、以前は信用情報機関に情報71「契約見直し」が登録されていました。しかし、平成22年4月19日より、過払金返還請求をしても、信用情報機関に情報は残らないことになりました。その結果、過去に行った過払金返還請求が、金融機関との新たな契約に影響を及ぼさないことになります。また、平成22年4月19日より前に、過払金返還の請求をしていても、その方の「契約見直し」の情報は、4月19日をもって信用情報データベースからすべて削除されることになりました。但し、専門家に債務整理を依頼した後、専門家介入時から、過払い金返還が完了され「完了」が登録されるまでは「債務整理」の登録が継続されることになりますので、注意が必要です。
よくある質問 任意整理
- 一部の債権者と任意整理することはできますか?
- 任意整理は裁判所を利用せず、当事者間で合意する手続なので、一部の債権者だけを任意整理の対象とすることは可能です。ですから、銀行の住宅ローンや自動車のオートローンを除いて消費者金融の借金だけを任意整理することもできます。しかし、任意整理も債務整理のひとつであり、借金を整理して、債務者が経済的困窮状態から脱するために行なうことを原則としますから、すべての借金を対象として考え、根本的な借金問題の解決を図る必要があることは言うまでもありません。
- 取引期間が短い場合や、利率が利息制限法の制限利率以下の場合、任意整理するメリットはありますか?
任意整理をする場合、原則として過去のすべての取引履歴を基に、利息制限法の利率で再計算するので、債務額が減額することがあり、取引期間が長い方は、過払い金を取り戻すことができることもあります。また、分割弁済の和解をする場合でも、 原則として将来利息を付けないで和解することが可能です。
取引期間が短い場合や、利率が利息制限法の制限利率以下の場合は、債務額の減額や過払い金の回収は期待できません。しかし、将来利息を付けないで分割弁済の和解をすることによって、毎月の返済額を減らすことができ、毎月の返済を履行していけば、確実に借金を減らして、完済に至ることが可能になるというメリットがあります。
また、任意整理の手続きをする過程で、われわれ専門家が家計の収支をチェックし、毎月の返済を習慣づけるようにサポートしていきますので、返済が困難になった状況で、一人で苦しみながら返済するよりは、かなり実効性が高まります。
よくある質問 自己破産
- 自己破産すると業者から文句を言われませんか?
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自己破産の申立てをすると、裁判所から各サラ金業者へ意見聴取書が送付されますので、これによりサラ金業者も債務者が破産の申立てをしたことがわかります。これは、裁判所からの通知ですので大抵の場合は厳しい取立ても止み、業者はおとなしくなります。
しかし、申立てから意見聴取書がサラ金業者に送付されるまでには若干時間があるので、自己破産の申立てと同時に、各サラ金業者に通知書を送付すべきでしょう。
自己破産の申立てをすると破産申立て時に1回と免責申立て時に1回の計2回の審尋があり、このうちの免責申立て時の審尋には債権者の出席も認められています。
しかし、現実にはサラ金業者がこの審尋に出席して異議を述べることは少なく、たとえ異議を述べたとしてもそれが免責不許可事由に該当しなければ全く意味がありませんし、業者としてもそんな意味のないことに労力を費やすようなことはしないのです。
- 自己破産するとき、財産とみなされるものはどういうものですか?
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現在所有している現金や預貯金のほかに、将来もらえる予定になっている退職金や、
生命保険の解約返戻金も対象となるので注意しなければなりません。
退職金に関しては、将来もらえるであろう見込み額の4分の1~8分の1程度の金額を債権者の配当にまわすように指示されます。しかし、この取扱については裁判所の間でも多少の違いがあるので事前に調べておきましょう。また、裁判所から指示されたお金を債務者が用意することは極めて困難ですので、実際のところは、裁判所に一定の猶予期間をもらってその間に用意したり、債務者の親族に借りたりすることになるでしょう。
生命保険の解約返戻金も、その額(20万円以上が一応の目安)によっては、退職金と同様に財産とみなされ、債権者へ分配されます。よって、破産手続開始決定の申立ての際に、生命保険会社から交付される解約返戻金の証明書を添付します。
これも裁判所によって多少の違いがありますので事前に確認してください。
- 自己破産をすると制限される職業は?
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自己破産をしても選挙権や被選挙権などの公民権は喪失しません。
しかし、破産者には以下のような資格制限があります。
既に以下の資格や職種に就いていた人が破産をすれば、その資格や職を失うことになりますが、免責決定を受ければ、この資格制限もなくなります。
弁護士・公認会計士・司法書士・税理士・行政書士・宅地建物取引主任者・警備員・生命保険の外交員等
よくある質問 個人民事再生
- 小規模個人再生の手続はどんな場合に利用できますか?
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小規模個人再生手続きは、住宅ローンなどを除く無担保債務が5000万円以下の個人で、将来の継続的収入からある程度の返済を行なうことができる債務者の経済生活の再生を目的とした制度です。
サラリーマンはもちろんのこと、自営業者や農家の方でも利用できます。
小規模個人再生手続き利用の主な要件は大きく分けて、以下の3つです。
小規模個人再生手続きは、住宅ローンなどを除く無担保債務が5000万円以下の個人で、将来において継続的または反復して収入を得る見込みのある個人であれば、サラリーマンはもちろん自営業者や農業・漁業従事者でも利用できます。
小規模個人再生手続きにおいて、再生計画案が認可されるには「債権者の消極的同意」が必要です。
消極的同意とは、再生計画案に同意しない旨を書面で回答した債権者が債権者総数の半数に満たず、かつ、その債権額が債権総額の1/2を超えないことをいいます。
この消極的同意が得られれば、再生計画案が可決されたものとみなされます。
最低弁済額要件とは、小規模個人再生手続きの中で確定した無担保債権(これを「基準債権」といいます)
に対して、再生計画の弁済総額が、以下の額を下回らないという要件をいいます。
具体的にいうと、以下のとおりです。
清算価値保障原則というのは「弁済総額が破産手続きの場合の配当額を下回らない」という要件です。
自己破産では、債務者が所有している不動産・自動車・現金・預貯金・退職金見込額の一部・生命保険解約返戻金などは、原則としてすべて換価処分されて債権者に配当されます。小規模個人再生手続きにおいては、債務者はこのような財産の全部もしくは一部を保持できる代わりに、債務者は将来の収入の中から、自分が所有する財産の価額以上のものを分割弁済する必要があるというわけです。
- 給与所得者等再生とはどんな制度ですか?
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給与所得者等再生手続きは、小規模個人再生手続きの特則として設けられているもので、給与等の安定した定期的な収入が得られる見込みのある債務者で、収入の変動が小さいと見込まれるときに利用できます。小規模個人再生手続きよりもさらに簡略化した手続きで、サラリーマン・公務員・年金生活者などに向いています。 しかし、現状では可処分所得要件により債務額があまり減らないことが多く、現在ではサラリーマンなども小規模個人再生手続きを選択することが多いのが実情です。
以下が、給与所得者等再生手続きの利用要件です。
小規模個人再生手続きにおける最低弁済額要件と清算価値保障原則を満たす必要があるのに加えて
「可処分所得要件」を満たす必要があります。
可処分所得要件とは、再生計画における弁済総額が、1年間あたりの手取収入額から最低限度の生活を維持するために必要な1年分の費用(最低生活費)を控除した額の2倍以上であることです。
この最低生活費は、債務者の居住地域、年齢、家族の人数などを考慮して政令で定められた額に基づき算出します。
ただし、以下の要件に当てはまる人は給与所得者等再生手続きを利用できません。
- 住宅ローン特則について教えて下さい。
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個人民事再生手続きを利用すれば、借金は大幅にカットされますが、この借金には住宅ローンは含まれていません。
ですから、たとえその他の借金が整理できても住宅ローンの支払ができずに、住宅ローンの支払のために、再度他のサラ金からお金を借りてしまうことも考えられます。
そういった事態を避けるために、住宅ローンに関する特則が設けられました。
しかし、ここでよく理解しておかなければならないのは、住宅ローン特則はあくまでも約束どおりの住宅ローンを支払うことが困難となった債務者について、住宅を維持し続けられるように住宅ローンの支払猶予を認める制度であって、住宅ローンの支払額をカットする制度ではない、ということです。つまり住宅ローンの支払期間を延長するに過ぎません。
この制度を利用するには、以下の2つの要件を満たす必要があります。
「住宅」とは、申立人が居住するために所有していて、床面積の1/2以上が住宅部分である建物をいいます。「抵当権」には、根抵当権も含まれ、住宅ローンを申込んだ金融機関の抵当権だけでなく、その住宅ローンを保証する会社(保証会社)の付けた抵当権も該当します。
「住宅ローン」とは住居の建設・購入・改良に必要な資金の貸付であって分割払いの定めのあるものをいいます。
住宅ローンの後順位に、事業者ローンを担保するための抵当権・根抵当権(仮登記を含む)などが
建物またはその敷地についている場合などは、住宅ローン特則は利用できません。
以上の要件に当てはまった場合にはじめて、住宅ローン特則を利用することができます。